鳩子の詩集 - 27    

迷い道の野苺

子どものころ、
迷い道で見つけた野いちごは、
口に含むと、
ぴりりと舌を刺すような味。

今、時を隔てて、
わたしの心を刺したような気がして、
歩きながら、
うずくまってしまったわたし。

男のからだから生まれて、
リンゴの実を食べたイブのように、
未知のものへの怖れと期待が、
わたしの心にもありました。

それを感じとってくれた
あなたがいたことのしあわせ。