鳩子の詩集 - 21    

橋 (勇気を出して)

 勇気をふるって渡った橋のことを
 憶えていますか?
 下を見れば谷底。足もとが震え、
 からだじゅうが震えているのに、
 すがりつきたいボーイフレンドも
 いなかったわたしたち。
 だけど夢の中では、
 霧の中に吸い込まれるように
 ふわふわと渡っていました。
 どっちが本当のわたしなの? 
 「いいえ、橋の向こう側で待っているのが
 本当のあなたよ。」
 あのときそんな霧のささやきが
 聞こえたような気がします。