鳩子の詩集 - 1    

ナルキッソスの甘い幻

みんなで行ったフラワー・パークは、
どこを歩いてもいっぱいのきれいな花。
一日中いてもあきないくらいなのに、
バスの出発時間はせまっています。
花に見とれているうちに、
迷子になったらどうしましょう。
日が暮れればおなかもへっちゃうし。
そしたらわたしは、花になって、
花壇の片隅にでも咲いています。
一年限りの花、
いいえ、わたしは種は残さなくても、
球根が命の水仙の花。
訪れるあなたに
ナルキッソスの甘い幻を見させてあげる
せつない花よ。