土偶非女性説

2005/8/21 日
縄文時代の土偶のお話です。
長野県茅野市の棚畑遺跡から出土した土偶は、「縄文のビーナス」と呼ばれているそうで、次のURLの3つめの「土偶は本当に女神か?」という記事に画像もあります。
参考「信州発考古学最前線」 
http://www7.ocn.ne.jp/~volonte/column-dec.html
 新 
http://homepage3.nifty.com/kamosikamiti/sonota/saizensen/H14win.html


「豊満な乳房や臀部」と紹介され「ビーナス」などと呼ばれるのでしょうが、よく見れば乳房はぜんぜん大きくありません。
同じページの一つ上の「縄文の巫女」という記事の画像は、茅野市の中ッ原遺跡から出土の「仮面の女神」と呼ばれる土偶です。これは衣服を着ているため乳房はわかりませんが、陰部は露出のかっこうで(そういう土偶や埴輪は多いそうですが)、その陰部は壊れていて本当の性別はわかりません。

上記ののページの記事によると、神話学者の大林太良氏は、青森の土偶も含めて土偶は女性とは限らない、男性の巫覡(ふげき)だってあると言っていたそうです。

陰部だけ破壊するのは一種の「去勢」ということになるのかもしれませんが、どうでしょう。人間の去勢は日本の記録にはないそうなので、身代わりかも?
古墳に埋葬された埴輪の人形は、殉死の身代りに発明されたという解釈がありますが、実際に殉死の例や遺骨は発見されないので、最初からそういう神話やフィクションを作ってしまったことになります。

以下は引用です
 「そういえば、三内丸山遺跡のシンポジウムのレセプションで、故大林太良先生が興味深い話をされていた。「アノー、北東アジアでは仮面をするシャーマンには男性だという民族例が多いのです。縄文の土偶にも仮面をしたものがありますね。仮面(土面)も出土していますね。」大林先生は東南アジアにオホゲツヒメ神話と同じモチーフの神話(ハイヌウェレ神話)があることを紹介している。その大林先生の発言だけに、縄文土偶を女性と即断している考古学界の傾向に疑問符をつけたのだと思った。
 今一度縄文土偶を見てみると、乳房は男性にだってあるのだし、形態的特徴のみで女性と断定できないものがある。また、後期の仮面土偶や晩期の遮光器(しゃこうき)土偶(これも仮面土偶の一種とも考えられる)には内部が中空になっていて壊すようにできていないものがある。中ツ原遺跡の仮面土偶もバラバラにされて埋納されていない。
 そもそも縄文早期から晩期まで約一万年間の「土人形」の用途を一つにくくろうというのに無理がある。そうした指摘を桐原健氏や山田猛氏もしている。とくに桐原氏は縄文土偶=巫覡(ふげき・巫は女性、覡は男性のシャーマン、かんなぎ)説を唱える。」
(上記URLの記事から引用)