火星人のハルモニア

火星人はタコのようは八本足をしているといわれた時代がありました。
でも本当は、八本足なのは女性の火星人だけで、男性はイカのような十本足だったそうです。
火星では女性の守護星はフォボスとされ、男性の守護星はダイモスといい、どちらも火星の衛星です。
あるとき、九本足の子が生まれました。その子はハルモニアと名付けられましたが、女なのか男なのか、お産婆さんも首をひねりました。ちょうどその時代に、火星では女性のパンツルックが大流行していました。九本足のハルモニアが、女性のパンツをはくと足が一本出てしまいます。そのため、ハルモニアは、男性用ズボンをはいて、余った一本には義足を入れ、義足を引き摺りながら男社会で生きてゆくことになりました。
ある夜、ハルモニアは、夜空にフォボスとダイモスが行き違うのを見ながら、ふと思いました。
-----なぜ私は毎日こんな重い義足に耐え忍んで、身も心もすり減らして生きなければならないのでしょう。私は本当に男なのかしら。本当は女だったのが、間違って中途半端な足が一本余計に付いてきてしまっただけなのではないかしら。-----
思い悩んだ末に、ハルモニアは自分の足を一本食べてしまいました。そして女性としての人生を歩むことにしたのです。
それ以来、地球をふくめた太陽系のタコは、自分の足を食べてしまう癖がついてしまったということです。

異伝によれば、ハルモニアは女性服のまま、常に男性たちと女性たちの調停役であったとのことです。
(創作ですよ、もちろん ^^)

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