まことある恋

 江戸時代の物語のあらすじです。
奈良の春日屋という大店の息子の鹿之介は、若いのに、かげま狂いとなり、いつしか難波の三保木という太夫と深く馴染みとなって年月を送っていた。三保木の年季が終わったあとも、二人は永遠の誓いを立て、いっそう深く親しみ、鹿之介は三保木の親の暮らしまで助けた。
しかし鹿之介は、使い込みを父に知られて勘当となり、やむなく江戸へ旅立とうとするとき、三保木に暇乞いに出向いた。三保木は日々の愛とやさしさへの感謝を述べ、早まった気を起こすなと鹿之介をいさめる。
三保木も江戸へ行き、寺や遊里を渡り歩いて働き、鹿之介を支え続けた。
そのことが、奈良の父の耳に入ると、父は、そのような職の者は金を取るだけ取って客に金がなくなると相手にもしなくなるものであるのに、立派な人間に違いないと、息子の勘当を解いて三保木まで「弟分」として養子に迎えた。二人はよく働き、三保木の「やさしき心より、固き親仁様の心までやはらぎたる」といい、義父への孝行もよくし、客の誰からもほめられ、店は大繁盛したという。

……いい話ですね。
こんなにいい男なら、どんどん貢いであげたいですが、でも最初は鹿之介のほうから貢いでくれて、勘当になってから、お返しとして男へ貢いだのです。最初にそれだけのお金が自由にできたということですよね、鹿之介は。

三保木は「弟分」となったのですが、その後の二人の関係が、よくわからないのです。店の経営については、兄弟経営なののか、それとも夫婦的な経営になったのか、江戸時代は道楽息子があとを継ぐことはほとんどなく、たいてい養子をとるらしいですけど……、それはともかく、「弟分」となったあとで、さらに「やさしき心より、固き親仁様の心までやはらぎたる」ということが強調されているのです。なので、かげまのようなトランスジェンダーとして夫婦的な関係だったと期待したいところです。そしてこういう話はたいてい、実話を元にしたものが多いらしいのです。

『まことある恋』(『男色山路の露』より)という話です。この話の内容は挿絵の印象と違います。

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