菊と野菊と源氏名と

江戸時代の明和のころの平賀源内の『菊の園』という本を見ると、日本橋芳町そのほか、源氏名というんでしょうか。「菊」の字が付く名前が多いです。
 菊松、亀菊、万菊、千菊、菊野、染菊、花菊、新菊、菊蔵、菊次郎……、白菊……。
なぜ菊という字が好まれたのかというと……(下ネタの話ではないのですね、これは)、
やはり、高貴な血筋であった昔の稚児物語の美少人たちの系譜を引いているからなのだろうと思います。秋夜長物語では宰相の家柄だとか、京都の物語だからそうなるのでしょうけれど、地方へ下って格が下がるとはいっても、地方なりの高貴な血筋というのもあるわけです。
こういうことは、木地師や琵琶法師の祖先が○○親王であるとかいう伝説とは別種のもので、宰相の家柄であったのは事実なのですね。
けれど、そういう最高の血筋とは違う庶民の場合は、菊は菊でも野菊。でも、野菊と菊がつながってしまうところに、菊の良さがあるのかもしれません。

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