同じような体験

ヤマトタケルさんの話といえば最近二人の順子さんの本の最初の部分にありました。どちらもほんとうに充実したデータベースのようなものをお持ちで、多彩な話題が展開されています。一人は三橋さんですが、もう一人の佐伯さんは、『遊女の文化史』で「性が聖であった時代には性関係がすぐれて公的性格を有していた」とか「松浦サヨヒメが固有名詞ではなく」と書かれたような視点は、ヤマトタケルの話では少ないのが残念です。

大和の国の王子も、ひなびた東の国の山奥の王子みたいな者も、華やかさは違っていてもよく似た経験をしていたとしたら、もう固有名詞では済まなくなるのですね。
似たような話が全国にあるとしたら、それは話の上だけのことではなくて、体験そのものが共有されていたと見るべきでしょう。そういう体験のほうが、個人的な動機を語られるよりも、ずっと身近でリアリティのあるものだと、そういうことを考えてきました。
公的なものだというのは、そういったあちこちで同時に起っていたような祝祭空間のようなもののことで、公娼私娼の分類のようなものではないのですね。

今月は9回目の更新です。あと1回あるかも??

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