江戸の春の画

左の図の、2006年発行の「別冊太陽」という本を見る機会があったのですが、面白い本だと思います。タイトルから眉をひそめる人もあるかもしれませんが、日本の浮世絵師や日本画家たちはほとんどそういう画を描いていたというほど、ポピュラーなものだったわけです。
その本の中の、氏家幹人氏の解説によると、それらの画は「本来女のために書かれたのではないか」とおっしゃっていまして、なるほど、きらびやかな色彩、人物のファッション、そして物語性など、女性向けといえるかもしれず、諸外国のものにはない特徴があるように見えます。同じ本の田中優子さんの解説にも物語性についての指摘がありました。杉浦日向子さんの解説はありません(亡くなってます)。ほかにも女性陣のエッセイがためになるのですが、佐伯順子さんという人がとてもわかりやすかったです。

タンスの中にしまっておくと火事にならないともいわれて、火防のおふだのようにも扱われたそうです。絵の中のどの部分が消火に役立つかというと、男性の部分ではなく、女性の開いた部分であることは、それをうらづける風習があるらしいです。男性のお面であるヒョットコは、ヒオトコ(火男)のことで、尖った口で吹いて火を燃え上がらせる正反対の役割でもあります。それはともかく、今の男性たちに聞いても江戸時代のそういう画を見てもそんなに興奮はないそうですし……、やっぱり女性のためのものだったのかも?。
その本はエッセイは良かったのですが、陰間さんたちの絵がありません。同じシリーズの「続編」に少し載ってます。江戸中期の鈴木春信や西川佑信の絵ですが、当時のふっくらした丸顔が良いですね。

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