江戸時代の艶の本

1週間ほど前に、ホノルル大学のwebサイトで江戸時代の艶本が何百冊も公開されているのを見つけたので、そのうちのMtF系(ないし男色)のものを、ずっと見ていました。今まであまり知られていなかった本もいくつかあるようです。
江戸時代中期の西川祐信の絵入りの本に面白いものが多かったです。

『諸遊芥子鹿子』(文章作家は不明)がいちばんかも。これは交際のガイドブックのようなもので、現場の取材がもとになっているような本です。文章部分は「遊色絹篩」という題になっていて、その中の「野郎絹篩」という部分だけでも40ページ以上。野郎とは女郎に対しての言葉ですが、普段は野郎歌舞伎の役者で舞台子ともいいました。表舞台に出られない役者を「陰子」というようになります。文章部分はwebサイトでは「逸題艶本」となって別の本の扱いになっていますので、検索のときは注意してください。この本は復刻版が出たこともあるようです。

『ねやのくすり』は実話形式の本で、衆道関連の7話が収録されています。人生の浮き沈みといったかんじ。
『風流足分船』も実話形式ですが、武士の話ばかりで、ゲイ系といえるかもしれません。11話のうち「むさし野の友ぐひ」で若い浪人が女姿で夜のちまたに立つ話があります。
『淫楽勧進能』と『好色一代能』は、能や狂言のパロディ集のような本で、女色男色混在でナンセンスギャグの話ばかりです。

以上はすべて西川祐信の絵入りの本で、関西で出版されたものらしいです。

花物語と少女漫画

『花物語』という吉屋信子の短編小説集を少し読んだら、やっぱり泣けてしまうお話ばかりでした。
幸福だった幼年時代が過ぎ、突然襲いかかってくる不幸の数々に、家族は離れ離れに。けれども少女は、誰も怨まず、何も妬まず、つつましやかな生活の中に、やがてかすかな希望の光が見えてくるような、そんなストーリー。
こういうお話は、1960年代の少女漫画のパターンでもありました。あのパターンは、大正時代の「花物語」の中に既にひととおり詰まっていたわけなのですね。花物語は少女小説の元祖といわれるほどのものですから。

花物語には悪い人はあまり出てこないのですが、60年代の少女漫画には、意地悪でいじめ役の子も出てきました。日本の古い昔話にも、ただ執拗にいじめてくるだけの継母などがいました。そういうののない花物語は、モダンで洗練された近代少女小説といえるのかもしれません。
昔の少女漫画には恐い漫画もありました。古賀新一とか楳図かずおとか、なぜか夢中にさせてしまうものがありました。そういう土俗的といえるようなものと、モダンで美しく哀しい物語と、両方とも夢中になって読んでいました。

江戸の春の画

左の図の、2006年発行の「別冊太陽」という本を見る機会があったのですが、面白い本だと思います。タイトルから眉をひそめる人もあるかもしれませんが、日本の浮世絵師や日本画家たちはほとんどそういう画を描いていたというほど、ポピュラーなものだったわけです。
その本の中の、氏家幹人氏の解説によると、それらの画は「本来女のために書かれたのではないか」とおっしゃっていまして、なるほど、きらびやかな色彩、人物のファッション、そして物語性など、女性向けといえるかもしれず、諸外国のものにはない特徴があるように見えます。同じ本の田中優子さんの解説にも物語性についての指摘がありました。杉浦日向子さんの解説はありません(亡くなってます)。ほかにも女性陣のエッセイがためになるのですが、佐伯順子さんという人がとてもわかりやすかったです。

タンスの中にしまっておくと火事にならないともいわれて、火防のおふだのようにも扱われたそうです。絵の中のどの部分が消火に役立つかというと、男性の部分ではなく、女性の開いた部分であることは、それをうらづける風習があるらしいです。男性のお面であるヒョットコは、ヒオトコ(火男)のことで、尖った口で吹いて火を燃え上がらせる正反対の役割でもあります。それはともかく、今の男性たちに聞いても江戸時代のそういう画を見てもそんなに興奮はないそうですし……、やっぱり女性のためのものだったのかも?。
その本はエッセイは良かったのですが、陰間さんたちの絵がありません。同じシリーズの「続編」に少し載ってます。江戸中期の鈴木春信や西川佑信の絵ですが、当時のふっくらした丸顔が良いですね。

桃の花、梅の花

桃の花の季節になりましたが、4月3日は月おくれの桃の節句だという地方も、関東周辺などでは多いそうです。桃の花が咲いてないと桃の節句にはならないので、季節を重視して月おくれの「ひなまつり」になるわけです。桃の節句は、本来は「ひなまつり」だけではない子どもたちのお祭りだったらしいのですが、どこも最近はほとんど「ひなまつり」だけになってるところが多いようです。
(3月の桃の節句が子どもの行事であるのに対して、5月菖蒲の節句は、青年男女のフェスティバルのようなもので、いろんな出逢いもあったらしいです。)

桃のお花見というのもいいらしいですね。濃いピンクの色が温かみがあります。
梅の花はもうほとんど終わってますが、花の色の種類はさまざまです。
桜は、現代ではお花見といえば桜といった風潮になっています。

梅と桃の桜の「3つのお花見」をぜんぶ楽しむのが粋なんだそうです(杉浦日向子による)。
梅の花は、一人か友人や恋人など二人でしみじみと見るもの、
桃の花は、家族そろって見に行くもの、
桜の花は、大勢で出かけで宴会をするもの、というわけですから、桜だけでは粋とはいえないことがわかると思います。企業社会にどっぷりひたっているといけません。家族社会知友社会のような世の中であってほしいですが、せめて桜以外のお花見も楽しめたらと思います。

4月

4月から、当サイトとしても、新しい趣向を取り入れてみたいものですが、考え中です。
今でも一日平均200以上のアクセスがあるようですが、あまり更新がないのが申し訳ないくらいです。
最低でも週1〜2回は更新したいものですね^^;。書くことは書いているのですが、アップする気にならないことが多いです。あとで書きなおしてからアップということもたまにあります。

| top |