日本語アクセントと作曲

作曲家が歌詞に曲を付けるときは、日本語の高低アクセントに従って、音符の高低を決めてメロディーを作るのが普通だそうです。ただしそのアクセント」は標準語のアクセントのことで、アクセントに従うのは1番の歌詞だけのようです。
「夕焼け」という歌詞ですと、尻上がりのアクセントなので、"ソドドーレ"なんていうふうになりますね。
こういうようなな制限に縛られると、自由なメロディも制限され、リズムのことも考慮されません。團伊玖磨という作曲家は、それに疑問をいだいて、方言でオペラを作曲したりしたそうです。

外国の歌というか、たとえば英語の歌は、アクセントと作曲はどんなふうになっているんでしょう。
英語は、日本語のような高低アクセントではないので、メロディは自由のはずです。でも強弱アクセントというのがあります。これはたぶん、2拍子のリズムでいうと、1拍目に言葉の強アクセントが来るような気がします。「メリーさんの羊」で、1拍目を太字で書いてみます。
  「メアリー・/ハッド・ア・/トル・/シープ」
リズムの1拍目と言葉の強アクセントが一致します。
「ロンドン橋」ですと、
  「ロンドン/ブリッジ・イズ・/フォーリン・/ダウン
3拍子の歌ですと、
  「グッド/モーニング・トゥー・/ユー
やはり1拍目が強いアクセントです。
英語には単語だけでなく文にも強弱アクセントがあることがわかります。

ところで日本語には本当に強弱アクセントは一切ないのでしょうか。
たとえば「まっ赤な」という言葉は、「っか」の部分が高いアクセントですが、「ま」のところに少し強いアクセントがあるような気がします。普通は「ま」を少し強く言うと思います。
「まっかな秋」という歌では、「まっかだな」という歌詞で始まって高低アクセントに従って作られています。これを上手でない歌手が歌うと、音程の高いところを強い声で歌い、低いところは弱い声でという単調な歌い方だったりして、「か」に強いアクセントがあるように聞えて、おかしいのです。

それと七五調の歌詞では、5拍のうち最後の5拍目が、4拍子の1拍目に来ることが多いです。日本語はもともと語尾をあいまいにごにょごにょと弱く言ったり、「てにをは」が最後に来ますからやはり語尾を弱く言う言葉なのですが、歌では間違うと強く発音してしまうこともあります。英語の歌は上の3つの例のように最後のところに強アクセントがくることが多いのですが、ここが日本語と違うところです。
(でも最近の日本の日常会話は、語尾の「てにをは」を強く言う人が増えましたけどね。)

昔の唱歌で、「蛍の光」や「故郷の空」など、外国曲に日本語の詩を付けたものは、日本語の高低アクセントとはだいぶちがうメロディーですが、そんなにおかしくもないです。「仰げば尊し」は外国曲という説もあったと思いますが、メロディーが日本語の高低アクセントに一致しているので、外国曲じゃないでしょうね(外国曲説が強いです)。

Trackbacks

コメント

まりっぺ : 2009年9月18日 06:28

標準語のイントネーションとはどこの言葉を基準にしているのでしょうか。いわゆる東京弁(江戸言葉)とは違いますし、東京でも奥多摩駅より山梨寄りは、関東式アクセントというより、東部中部地方式アクセント(群馬西部、神奈川西部、山梨東部、長野東部地域アクセント)になります。
今のテレビで使われる標準語のアクセントは、東京弁というよりイントネーションをはっきりさせる東部中部地方式(西関東式)アクセントに近いです。
自分が東部中部地方式アクセントの地域で生まれ育ったので、そのような印象を受けました。

鳩子 : 2009年9月19日 00:56

単語のアクセントということでは、20世紀前半ごろ、東京山手言葉を標準として、日本語アクセント辞典も完成されていますし、NHKもおおむねそれに習っていると思います。大きな変化というのは少ないと思います。
文のイントネーションについては、日本語はあまり抑揚の少ない言葉だったと思います。疑問文や感嘆詞の抑揚は文法的なものと見られますが、そのほか内容や場面や感情によって抑揚をつける程度だと思います。
「東部中部地方のイントネーション」というのは、詳しくは知らないのでわかりません。西関東、東関東ということなら、もともと隅田川〜古利根川から東は、茨城弁風のアクセントとイントネーションで、「無アクセント言語」とする説もあったらしく、なので一般に「関東弁」と言うときは西関東の言葉を言うと思います。
その関東弁の個別の単語のアクセントは、東京弁と大きな違いはないと思います。全体のイントネーションとなると、よくわかりません。今は個人差のほうが目立つときもありますしね

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