卵から返る

1/9に擬娩について書いたとき
「擬娩とジェンダー」
ネットを検索して調べることはしなかったのですが、ちょっと調べてみたら、
「擬娩」はフランス語で「クーバード」と言い、そのもとの意味は「孵化」。鳥のメスが産んだ卵をオスが温めることにたとえて言われたようなのです。
「couvadeとはもともとフランス語における"couver(= hatch<子供を産むこと、卵が孵化することなど>)"を語源とし、それは古来より世界各地で行われていたクーバードという風習に由来している。」(http://x51.org/x/05/06/2234.php)というのがありました。(hatchは英語)

鳥のオスが卵を温めて雛をかえすことと、人の男性がお産のふりをする擬娩とは、たまたまかたちが似ていたので後からクーバードと呼ばれるようになったのではあるのしょう。
けれど、人の男性のそういう行為自体が、もともと鳥の行為の模倣から始まったものだったと考えることはできないでしょうか。コウノトリが赤ちゃんの命を運ぶように、父親による鳥の模倣行為がなければ、人間は命をさずかることもできなかったのかもしれないのです。

「クーバード症候群」とか「男性の神経症・精神病患者」などと書かれたページもありましたが、西洋医学の今の視点だけで即断するとそうなるのでしょうか。フレーザーやレヴィ=ストロースのような視点が必要です。

人が鳥を模倣するというのは、よくあることで、鳥装のことも書きました。
「鳥装とは」
ちょっと書き足らなかったですが、人の衣服の起源というか、少なくとも民族の色彩の好みは、鳥の模倣のように思えるのです。
バレンタインデーの起源についても、元はキリスト教以前の習俗で、鳥が交尾する日だったという説もあるそうです。
日本のイザナギとイザナミの物語でも、鶺鴒を真似る場面があります。

さて英語のhatch の語源を調べたいのですがまだわかりません。鳩子はhat…という言葉にこだわってしまいます^^;。潜水艦や自動車の屋根の出入口をハッチというのは、卵の殻が開いて中から出てくる感じのことなのでしょうね。
最近ニュースで話題になった「赤ちゃんポスト」は、英語で"Baby Hatch"と言うんだそうです。このほうが良い言葉ですね。卵から早く出すぎたので、いったん卵の中にかえす(戻す)意味になります。
ところで日本語では卵の中から出てくることを、卵から「かえる」と言うのです。この世に帰ってきたという意味なのでしょうか。だったら命は大切に使わないといけませんね。

英語のhatchは「くぐり戸」という意味が古いようですが語源といえるかどうか。


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コメント

鳩子 : 2007年6月16日 00:01

翻るジェンダー
「返る」でなくて「翻る」が良かったかもと思ってます。
翻訳の翻という字ですが、翻訳のことを英語でトランスなんとかっていいますよね。
中国ではトランスジェンダーのことを「跨性別」なんていうそうですが、「翻性別」でもいいんじゃないかと思ったり

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