金庫破りのジミー

O・ヘンリーの短編に「金庫破りのジミー」(原題・取り戻された改心)というのがあります。

ジミーが恋した女性には娘がいました。その子が、ある日、金庫に閉じ込められてしまうという事件がおこりました。早く鍵を開けないと女の子は窒息死してしまいます。けれど鍵はありません。
ジミーは、今は普通の市民ですが、実は、もと金庫破りだったのです。鍵がなくても金庫を開けるのは簡単にできます。でも、そんなことをすれば金庫破りのお尋ね者であることがばれてしまいます。せっかくつかみかけていた恋も失うことになるでしょう。
ジミーは悩みましたが、思い切って自らすすみ出て、金庫の鍵を開けて、女の子を助け出しました。人々はそのことからジミーの過去を知って驚きましたが、誰も警察に突き出すということはしなかったというようなお話。

改心したものは救われるというキリスト教の道徳があるそうです。でもキリスト教にかぎった話ではないのでしょう。
最近見たテレビドラマの「逃亡者」の再放送でも、ある町で子どもを助けた逃亡者を、町の人たちが匿うという話がありました。逃亡者は改心したのではなく、最初から犯人ではないわけです。ここでは、裁判で正々堂々と無実を証明しなさいとか、裁判だけが正義です、という考えはないわけです。

今の人がよく口にする言葉に「ルールはルールだ」というのがあるのですが、けれどルールはルール以上のもの、つまり道徳や倫理ではないのです。
女性らしさは、そういうときに、愛情を込めてルールを無視します。男性らしさは、ルールと道徳が葛藤を起こして、ルールを越えた倫理や哲学を構築しようとするものだと思います。

話は違いますが、1960年代のアメリカのポップスで「トゥー・メニー・ルール、早く大人になりたい」というような歌がありました。子どもは、家に遅く帰るとママに叱られたり、そのほか、あれもいけない、これもいけないで、子どもにはルールが多すぎるので、早く大人になりたいという歌詞なのですが、ルールを越えたところに大人も子どもも夢を見た時代があったのですね。今は夢が破れてしまった時代だから、「少年のままでいたい」と歌うのでしょうか。

ところで女性となったトランスジェンダーが、ある人を救うために、自分が男性だった過去をさらけ出すなんていう小説を書くのはどうかなと思いました。

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コメント

にゃんきち@mixi : 2007年2月19日 16:39


最後の2行に惹かれました
そういう小説は見たことありません

ぜひ書いてほしいです

鳩子 : 2007年2月19日 21:11

知らないはずの秘密
ちょっと考えたんですけど、男しかできないこと、というのがわからないんですよね。
それで、男しか知らないはずのこと、というの。
男子高校に新任の若い美人教師が、知らないはずの男子トイレの秘密を知っていて、そのことから殺人事件の謎を解いてしまう。その秘密とは高校時代の友人のK君と二人だけの思い出に関係することだったのです。なんていうの。

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