せつない話 1989

18年くらい前のものでしょうか、贈り物のカードのようなものが出てきました。開いてみたら、手書きの文字で
 「ウエディング」
とだけ書かれていました。たしかこれは……
どこかのコンテストの賞品でいただいたような……。そう、ウエディングドレスの無料レンタル券だったのですね!

有効期限は特に書いてなかったけれど、いくらなんでももう時間がたちすぎています。でも最初のうちは確実に使えた券なのです。着てみたかったですね。でも使うことのなかった券です。
そこには、遠い失われた時間が封じ込められているような、切ないカードです。

ペナンペ、パナンペ

『北海道昔話道東編』というおみやげ屋さんで売ってるらしい本の、 
「ペナンペ、パナンペに女にされる」という話。
二人の男の子の話です。

「パナンペが、「さあ俺達は夫婦になるのだ。二つの寝床を取ってくれ。寝るのだから。」と言うと、ペナンペはぱっと飛び起き、大笑いしながら気尻座の方へ逃げました。だが、まだ戸の外へ達しないうちに、パナンペのために美しい少女にされ、本当に女の心を持って気尻座に尻餅をつきました。その後ペナンペは本当の女になってパナンペの妻になり、夫婦仲良く暮らしたそうです。 」

以前あるHPからコピーしておいたものの要約ですが、そのHPは今はありません。
ペナンペという名前は古いアイヌの伝説にも出てくる名前らしいのですが、この話はそんなに古くない時代の創作のような印象です。

電柱でござる

写真に東京電力の電柱が写っています。
電柱の上のほうには、何本かの電線が固定してあるわけですが、電線を固定してある部分は電流が通らないように磁器製品が使われていて、それをガイシというわけです。碍子という漢字を書きます。
この「碍」という字には「さまたげる」という意味があります。電流が流れ出てしまうのをさまたげるからなのでしょうね。

近代文学の小説などをみていると、「障害」と書かずに「障碍」と書いていた時代があったことがわかります。血行障碍とは、血行がさまたげられる状態のことです。
そのほか車両・停泊でなく車輌・碇泊とか書くのが本来の漢字の使い方らしいのですが、戦後になってやさしい漢字で書くような習慣になったみたいです。

性同一性障害なんかも「害」の字が嫌いだという人は、ひらがなまじりでなく「性同一性障碍」と正統の漢字で書けば良いのではないかと思ったり。
(*^o^*)

私がいなくなっても 1988

19年前は神田のエリザベスという"会館"によく行っていました。いつも忘れ物の名人なので、いろんなものを置き忘れてきたり……。

写真の指輪は、黒曜石ではありませんが、大きな黒いガラスみたいなのでできていて、当時はお気に入りだったのですが、どこかでなくしたように思っていました。あるとき会館のメイク室で、アクセサリーの箱の中にこの黒い指輪があるのを見つけました。ここに忘れて来たわけなのですね。
その箱の中には、他の人の忘れ物らしきネックレスやらがいくつか入れてあって、ときどき「新人さん」に貸し出すこともあるような感じ?。

「これ私のです」と言って、返してもらっても良かったんですけどね。証明する写真もたくさんあるわけですから。でも言いませんでした。もしあの場所に私がいなくなっても、あの黒い指輪だけが残っているような、そんなシーンを想像しているうちに、なんとなくそのままにしておきたくなったのです。

ところで指輪というのはあまりプレゼントされませんね。サイズの問題が難しいからでしょうか。{次回は18年前の話になるかも ^^;)

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