母親の力

現代は母と子の密着した関係が増えたのでトランスさんが増えるのだ、という見解をときどき目にします。家庭内での女性の影響力は確かに大きいと思います。けれど、今の核家族では女性家族は母親一人しかなく、だから母と子の密着した関係うんぬんという話になるわけなのでしょう。大家族の時代は、若い未婚の叔母や、年齢の離れた姉からの影響力のほうが、トランスさんに関しては強かったように思います。

つまり年少のころの女性からの強い影響ということであって、密着関係が成人後まで持続することとは関係ありません。

最近の結婚できない男性についても、母子関係が問題にされることがあります。母親が焼いてきた世話を、妻がしてくれるものだと思っている男性たちがいます。母親もまた世話を焼くことができなくなったら寂しいのでしょう。息子の離婚については全て嫁が悪い、いやまだ結婚していないんでしたね、息子が結婚できないのは今の女が悪いからだと母親は考えます。息子も自分が結婚できないのは今の女たちが悪いのだろうなと思い始めるのかも。

ところで、古代社会では、15歳になれば男子は母親のもとを離れなければなりません。男子は集会所のようなところで年齢の違う男どうしで生活するわけです。そんなわけで男色は人類史の最初からあったらしいのですが、とにかく、そうやってやっと母親から自立することができたらしいです。結婚してからは妻問婚といってときどき妻の家に通うだけなのですが、同居したりすると男子は再び母親のような強い存在に呪縛されてしまうことを怖れてしまって、そのような結婚のかたちになったのだろうといわれることもあります。夫はどこから通ってくるかといえば、母親の家であるはずがありませんね、男子集会からということになります。同居でないので一夫一婦制にもなりません。
男子は集団で労働やマツリゴト(祭政)をするのが主な仕事でしたが、狩猟や開墾や軍事など危険を伴うことが多いので、女子の宗教的な力で守ったということなのでしょう。男子の中にも女性のような服装で神懸かりして大事なことを決定する役割の人がいました。
財産のことはよくわかりませんが、開墾した土地は開墾した男子のものなのではないでしょうか。でもあっちの大木なら伐ってもタタリはないだろうと教えたのは女子ですし、持参金のように妻の家に貢ぐことはよくあったらしいです。けれど男子集会が国家のもとに組み込まれて行けば、書類上は男子の管理する土地になっていったのかもしれません。

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コメント

まりっぺ : 2006年9月17日 11:48

母子相互依存
母子相互依存ですね。息子が結婚後も母親に世話を焼いてもらいたいし、母親は息子をいつまでも子供だと思っています。何か女性も基本的にある年齢になっても「少年愛」のようなものを持っているのかもしれないです。ちょうど男の人のロリコンの逆ですね。
これが母娘の相互依存になるともっときついです。お互い女同士のライバルでもあるし、男性特に父親を寄せ付けない女同士の固い連帯があるからです。
こういうのは親が子離れできていない理由で、顕著に現れてくる現象でしょうね。

鳩子 : 2006年9月18日 00:13

ロリコンの逆ですか
なるほどわかりました。男性のロリコンの逆なのですね。
男親は娘と密着していたくても、拒否されて父親のプライドの失墜になってできません。それで外に向かって、最悪は先日の某教授のようになるわけですか。

こういうふうに視点を別の立場に軽くトランスして見てゆくと良いのでしょうね。男性たちは苦手なのかもしれませんが。

母娘の相互依存関係とライバル関係は、あるところまではわかる気もするのですが、その先はちょっと近寄れない感じです。

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