あるはにかみ屋さんの話

子どものころは、写真映りが良いとよく言われました。たぶん、はにかみ屋さんの子どもだったので、いつもうっすらと笑みを浮かべていたからだろうと思います。
いやな思い出のある写真も微笑んで写っていました。車に酔ってゲーゲー吐いた直後の写真も楽しそうな笑顔をしていました。先日テレビで見た沖縄の人たちが、苦しかった思い出を微笑みながら語っていたのをおぼえています。どんな顔をしていいかわからないときは、微笑むしかないというのもあるかもしれません。
写真は思い出に虚構の世界を調味してくれます。

男子の中学生のときのある日、学校内で突然知らない上級生の男子に呼び止められ、「お前はオレを見るといつも笑っている。オレの顔がそんなにおかしいか」と言われました。私はびっくりして怖くて何も答えられなかったのですが、たまたま通りかかった同級生の子が、この子はそんな子じゃないとかばってくれたので、大事には至りませんでした。
その上級生も思春期の自意識過剰な時期だったのでしょう。そんなことがあると、私のほうもだんだん無表情を作るように意識してしまいます。
女子だったらいつも笑みを浮かべていてもインネンを付けられることはあまりなかったかもしれません。でも愛嬌をふりまく大人びた子に見えるかもしれませんね。

セルフ写真に凝り始めた1990年代初めは、笑わない写真が多かったのです。一人ですからしょうがないといえばしょうがないのですが、だんだんまた一人で意味もなく笑うことができるようになりました。

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