姫百合の恋

ミクシのコミュニティを検索したら、「百合な短歌」というテーマで、こんな和歌が紹介されていました。万葉集からです。

 夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ  坂上郎女

本来は男性への恋の歌なのでしょうが、「百合な短歌」ともとれます。
日替り短歌を表示する某カレンダーソフトのデータを検索してみたら、「百合な短歌」というより「百合の短歌」がいくつか。

 雲雀たつあら野におふる姫百合の 何につくともなき心かな  西行

これは迷いもなく達観しているようで、孤高の姫百合という感じ。

 たわたわに蕾ばかりが垂れいつつ この山百合の長し真青し  若山牧水

こういう歌がいちばん好きです。蕾とか青しとか、よく見ればたわわに見えるのは、長い青春未満の時代の蕾ばかり、その愛おしさ。

 髪ながき少女とうまれ しろ百合に額は伏せつつ君をこそ思へ  山川登美子

「白百合の君」と呼ばれた山川登美子、私生活では三角関係のようなものがあったそうですが、この歌はどう解釈したらよいのでしょう? 額づいたというしろ百合は聖書の比喩にもとれます。それは少女にとっては近代文学への道でもあり、つまりは文学と恋との葛藤なのでしょう。でも百合を違う意味にとるのも読む側の自由なのかも。

Trackbacks

コメント

両国みちる : 2006年11月1日 00:00

山川登美子は、与謝野晶子と対比されることが多いですね。
静と動みたいに。
ただ、この歌のように静の中にも強い芯を感じます。
凛とした艶やかさというのでしょうか。

鳩子 : 2006年11月1日 00:00

山川登美子
色気でかなわなかったんでしょうね。
オトコは女の色気に弱いですし。
でも「髪ながき少女」とか山川登美子もすごい表現をするものなのですね

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