小股の切れ上がった

 「小股の切れ上がったいい女」とよく言います。
 その意味について、あるいは「小股」とは何かについて、いろんな説があります。そういういろんな説を調べあげた人がいます。
このページ小股が切れ上がる

 接頭語の「小」は、「小首をかしげる」「小耳にはさむ」など、そういう首や耳があるのではなく、「かしげる」や「はさむ」にかかって「少しかしげる」「少しはさむ」という意味だとある国語学者が言っていた記憶があります。
 では、「こ憎らしい」とか「こきたない」「こっぱずかしい」という場合も「少し」の意味なのでしょうか。そうではなく、「こ」をつけないでそのまま言うのはストレートすぎて、粋でないということなのではないでしょうか。「小」をつけたほうが「粋」、というよりやはり「小粋」なんですね。「こ」は客観的な描写に関するものではなく、話し手の羞恥心などの感じ方の問題なのでしょう。

 さて、前記のページで紹介された説の中で、いちばん色っぽい説明のあるのは、杉浦日向子さんの説です。
「膝から腿のあたりが切れ上がっていて、ちらりちらりとすそが開いてたいへん色っぽいわけです。そこへ風でも吹こうものなら、「小股」があらわになってしまいます。(杉浦日向子 ぶらり江戸学)」
 「股」にはからだの部分のほかに袴などの着衣の「股」があります。着物には股はありませんが、女性が着物で歩くときに裾がちらりちらりと開いて、その開いた部分が上に切れ上がったように見えるので、その部分を「小股」と呼んでもいいような気がします。けれども風が吹いて初めてあらわになるのが小股のようではあります。
 もう一つ気になるのは折口信夫の説です。
「女陰の陰裂の長さ(折口信夫)」
 本当はその通りなのでしょう。これは本人の発言を筆記した人がいたのでしょうが、その部分だけが引用されたり伝聞されたりで、粋な表現では伝わっていません。

http://plaza.rakuten.co.jp/yumecollection/diary/200506170000/(「困った話」・・ではなくて「小股」のお話 --Yume Collection)

★追加 杉浦日向子さんの説では
江戸時代の着物は今よりずっと裾が開きやすく、風が吹くと太ももがちらちら見えることもあったそうです。小股が見えてしまうこともあったとか。
小股が切れ上がっているというのは、横から見たとき太ももから足首までがS字型にしなっていて、前から見れば太ももが細くて間にすきまがあり、つまりO脚ぎみなのですが、歩くときの裾さばきがとても綺麗で色っぽく見えるんだそうです。

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