江戸時代の女性〜杉浦日向子『お江戸でござる』

 ワニブックスの『お江戸でござる』は「杉浦日向子監修」となっていて、NHKの同名の人気番組の中の「おもしろ江戸ばなし」のコーナーの内容が、本にまとめられたものです。「かかあ天下」というページを読んでみました。
 江戸の町では女性が大事にされたそうです。女性の人口がかなり少なかったとありますが、地方の男たちが職を求めて江戸に出て、そういう長屋住まいの男たちがたくさんいたためと思います。ですから嫁をもらえない男性が多くなるわけで、お上も女性は二度以上結婚することを奨励したとか。男性が多いということは、髪結いや女中など女性の仕事の需要も多く、共稼ぎは当然ということになって、男性も鍋や釜を磨いたりの家事労働をよくしたとか。男子厨房に入らずとかいうのは明治時代以後の軍国思想によるものなのでしょう。
 以前は時代劇などで男が「三くだり半をたたきつける」という言いかたがありましたが、それは「三くだり半」の意味を取り違えた間違いだったという理解が広まり、今はあまり使われません。女性が自由に再婚するために必要な離婚証明書として、男性がやむなく書かされるものが「三くだり半」ということです。明治以来の男性優位思想が歴史をも見誤らせたわけで、この「三くだり半」以外にも常識と思い込まされてきた固定観念は他にもたくさんあることでしょう。
 江戸の女性にとっての理想の男性は、「おもしろくて家を明るくしてくれる男性で、収入はあまり関係ありません。自信のない男性は、駄洒落をいくつか習ってから嫁をもらいます」ということだそうです。駄洒落も習うものなんですね。

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