『華麗なる終焉』(佐藤まさあき)

華麗なる終焉』という古いマンガの紹介。ネット検索をしてもマンガ専門の古書店の目録1ページが出ただけなので、貴重かも。

 『華麗なる終焉』(佐藤まさあき作)というマンガ(劇画)を、知人の家の古ぼけた雑誌で見たのは私がまだ十代のころでした。私は知人からその雑誌を譲りうけて、マンガの部分を切り抜いて大切に保存しました。今ふたたび読んでみると、作品としてはあまり出来の良いものではないかもしれません。でも、こういうテーマのマンガは当時は他にないものでした。
 ストーリーは一人の舞台女優が成功をおさめて、それに満足して自殺する話です。彼女は、少年として生まれ、酒に溺れる乱暴な父を嫌い、男性そのものを怖れて育ちました。父母の離婚、母の死、そして親戚の家に預けられてからの迫害など、孤独な少年時代を過ごしました。少年が中学生のころ、亡き母にそっくりの自分の美貌に気づきます。その後「ゲイボーイ」「おかま」と呼ばれるようになった彼女は、これまでの世間に対する見返しとして、女優を目指していったというわけです。
 掲載雑誌はネット検索で調べたら、『ビッグコミック』1969年3月号ですから、10年近くもたってから見たことになります。当時は背表紙付きの月刊誌でした。学生運動の盛んなころの社会からの疎外者・アウトローを主人公にとりあげた社会派ドラマだったのでしょう。

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