「宦官」について

「宦官(かんがん)」について辞書を調べてみました。

大辞泉(小学館+Yahoo)では
「東洋諸国で宮廷や貴族の後宮に仕えた、去勢された男子。中国・オスマン帝国・ムガール帝国などに多かった。王や後宮に近接しているため勢力を得やすく、政治に種々の影響を及ぼした。宦者(かんじや)。」

大辞林(三省堂+Yahoo)では
「去勢された男子で貴族や宮廷に仕えた者。古代オリエント・ギリシャ・ローマ・イスラム世界にみられ、中国では春秋戦国時代に現れてしばしば権力を握り、後漢・唐・明の滅亡の一因をなした。宦者。[*]寺(こんじ)。寺人。閹官(えんかん)。刑余。」

 大辞林では閹官などの類語も羅列されますが、「刑余」について調べてみました。
大辞泉……「1 以前に刑罰を受けたこと。また、その人。2 宦官(かんがん)。」
大辞林……「前に刑罰を受けたことのあること。また、その人。前科者。」
 大辞泉のほうが詳しいです。でもなぜ宦官のことを刑余ともいうのでしょう。

そこで広辞苑(岩波書店CD-ROM)では、
「【宦官】 東洋諸国で後宮に奉仕した去勢男子の小吏。元来は宮刑に処せられた者を採用したが後には志望者をも任用した。卑賤な地位であるが、常に君主・後宮に近接し団結力に富むので、勢力を宮廷に扶植し政権を左右するようになり、中国では後漢・唐・明の時その弊害が著しかった。宦者。寺人。閹官。閹人。刑余。・[*]寺(こんじ)。」
 これでわかりました。刑余とは宮刑を受けた人のことみたいですね。宮刑とは去勢の刑罰です。やはり広辞苑のほうが頼りになるかも? 「宦官」は中国語だから「東洋諸国」となるのでしょうが、ギリシャ語の翻訳語として使われる場合もあるでしょう。また「卑賎な地位」とは後世的な評価でのコメントのようですね。
[*] =門がまえに昏

 西アジア方面では、神に仕える女性たちの処女性を守るために、神に仕える男子を去勢したという説明もあります。神が両性具有であるためにそれに仕える神官も去勢して神に近づいた、王に仕える者も神に仕える者と同じにした、ともいいます。
 女子の初潮を神聖視したため、男子も同じ年齢のころ血を流して聖母に近づこうとしたとも。
鳩子の忘れな草紙・宦官とは

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