「男が女に変わった話」

欧州の古典の話。ツレシアスという男が、蛇の交わるのを見て、そのメスを殺したら女になった。7年後にまた蛇の交わるのを見て、今度はオスを殺したら男に戻った。
 中国の蜀の時代、都に仕えていた男が美しい女になり、蜀王は見初めて妃にしたが、妃は環境になじめず夭逝したので、王は哀れんで高さ七丈の塚を造って葬った。(『蜀志』)
 インド。パルヴァチの森に入れば男は女になる。
 インドのソランキ王の子は、みな生まれてまもなく死んでしまったが、一人の王女を男子として育てたら健康に育った。成人してある王女と婚約をとりかわしたが、王は素性がばれないか心配になってしまった。王が狩りに出たとき、連れていったメス犬が森の池で水浴びをして、水から出たときはオス犬になっていた。そこでその池で王女を水浴びさせると立派な王子になり、めでたく結婚式を迎えることができた。(『グジャラット民俗誌』)
 仏典。阿那津尊は、美貌の女性のように見えた。悪漢が彼を犯そうとしたとき、男子と知って、悪漢は女に化り変わってしまった。男は恥じ入って深い山に入ったきり戻らなくなり、それを嘆く妻を見て哀れんだ阿那津は、その者を探し出して悔過自責させたら、男に戻った。(『旧羅譬喩経』)
……南方熊楠『鳥を喰うて王になった話』より

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