変成女子二件

江戸の実相坊という学僧が、信州のある家に何日か宿をとったとき、思いがけない熱病にかかり、ようやく回復して行水をしてみたら「男根落ちて女根となる」。それ以来、学問のことは忘れてただの凡人となり、酒屋の妻となったという。
 上州藤岡から秩父へ経帷子(きょうかたびら)を行商する僧が、山家のとある酒屋を訪れてみると、以前一緒に旅した僧によく似た女房がいた。顔を隠そうとする女房に、僧が「私の知る僧の姉妹であろうか」と尋ねると、涙を流して奥へ行ってしまった。次に酒屋に寄って再び尋ねたとき、女房は、姉妹ではなく本人であり、病気にかかったときに男のものが落ちて、かくなる次第という。寛永年間の話。
 『因果物語』下。( 10/4 と同じ本から)

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